社長メッセージ

社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」の理念のもと、将来にわたって持続的な成長を目指します。

現在、地球環境と人類社会はいくつもの深刻な課題を抱えています。私は、このまま良い方向に向かわなければ人類を含めて多くの生物が生きていけないのではないかという危惧を感じています。しかし、気候変動はじめさまざまな課題を解決するため、世界中で企業も議論し行動を起こしてきているため、これから良くなることを信じたいと思います。

事業をカーボンニュートラルとQOL向上にシフト

三洋化成グループは、これまでのビジネスモデルが持続可能なものではないと判断し、持続可能な社会に貢献することで当社も成長していくことを決意しました。それに伴い2022年、マテリアリティを特定して長期の経営方針を打ち出し、これからの三洋化成グループの事業を、カーボンニュートラルとQOL向上にシフトしていくこととしました。目下、ビジネスモデルの変革を中心に据えた第一段階の戦略「新中期経営計画2025」を遂行しているところです。

ESGへの取り組みと協業

自社工場からのCO2排出量削減や安全文化の徹底、職場環境の改善、意思決定機関の透明性確保などESGにも注力しています。一昨年サステナビリティ担当役員を任命し、権限移譲による実効性も進展してきました。今年は、当社の調達先である原料メーカーの地域や労働者の人権をテーマとして取り上げ、監査室が重点的に調査を開始しました。
その一方で、気候変動も循環型社会も、1社でできることには限界があり、業界団体や他社と協働して取り組まなくてはならないと感じています。複数の企業がそれぞれの得意分野を活かしてエリアで対応していくなどの考え方が、今後さらに必要になってくるという思いを強くしています。

安全の追求と理想の工場

当社は、常に安全を第一に掲げています。新中期経営計画2025では、安全への取り組みをさらに強化していくために、安全で効率よく安定した設備への更新を進めています。また、従業員の安全への意識など安全文化の醸成とプラントで働くエンジニアの人材育成を目的に、当社の安全教育センターに安全の専門家をお招きし継続して研修を実施しています。これによって、安全で従業員の負荷の小さい製造現場を実現します。
私には、廃棄物、水、空気などをすべて工場内で循環させるという理想があります。それを実現するには多くの課題を乗り越えなければならないことも承知していますが、経営者としてその理想を持ち続けることが大切だと思っています。

社外取締役白井氏が取締役会議長に就任

2024年6月から、社外取締役の白井氏が取締役会議長に就任されました。白井取締役は、尼崎市の市長を8年務められ、JR福知山線の脱線事故という惨事にも地方自治体の首長として対応されたご経験をお持ちです。他社の社外取締役も歴任されており、当社の向かうべき方向に対して社外取締役ならではの知見を持っておられます。ステークホルダーのみなさまには、外からの視点を入れた透明性の高い取締役会の運営を期待していただけるものと思います。

ステークホルダーのみなさまへ

当社は、カーボンニュートラルとQOL向上に役立つ事業を推進することで、社会によりよいインパクトを与え継続して収益を上げ、持続的に成長していくことを目指しています。そして、従業員、株主をはじめとするステークホルダーのみなさまに還元することで、社是「企業を通じてよりよい社会を建設しよう」を実践していきます。
私たちの取り組みにご理解とご協力をお願いするとともに、ご意見ご要望をお寄せいただければ幸いに存じます。

2024年9月

代表取締役社長

樋口 章憲