三洋化成グループは、従業員一人ひとりが高いモチベーションのもと、常に新しいことに挑戦し、“ワクワクする会社”を作り上げることで、さらなる企業価値の向上を目指しています。そのためには、従業員一人ひとりが”健康”であることが不可欠です。心身ともに健康な状態で働くことが、従業員とその家族の幸せを作り、会社の発展にもつながっていくと考えています。そこで、従業員の健康維持増進を個々の管理に任せるだけでなく、会社が積極的に関与することが経営における重要課題であると捉え、2018年に「健康経営宣言」を制定し、健康経営を積極的に推進しています。健康経営の活動を通じて、従業員のヘルスリテラシーの向上につとめることで健康増進を図るとともに、従業員一人ひとりが働きやすい環境・体制づくりを進め、”ワクワクする会社”へと変わっていきます。

健康経営宣言

従業員の心身の健康は、会社の一番の財産です。
三洋化成グループは、健康づくりの取り組みを積極的に支援し、心豊かな会社生活の実現を図るとともに、従業員の多様性を尊重し、一人ひとりが自主性と創造性を発揮することで自己実現を果たし、企業の発展を通じて社会に貢献していきます。

代表取締役社長  樋口 章憲

目標と実績

2020年度に外部コンサルタントを活用し、全社版健康経営戦略マップを作成しました。健康経営戦略マップでは、5つの健康増進の取り組みに対する健康投資策とその効果検証の評価指標を定め、2025年度の目標値を決定しました。2021年度末には各地区の健康推進チームが全社版戦略マップをもとにして各地区版の健康経営戦略マップを作成しました。全社施策に加えて各地区独自の施策を計画・実行することで、全従業員へ健康推進のより一層の浸透を図っています。

健康経営戦略マップ

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健康経営戦略マップ

5つの取り組みに対する行動目標

(単位: %)

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取り組み 項目 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2025年度
(目標値)
運動 週一回以上の運動習慣を持つ 29 31 50 50 52 70以上
睡眠 睡眠で休養が十分とれている 54 57 66 63 61 80以上
食事 バランスの良い食事をとる - - 76 75 79 90以上
飲酒 週二日以上の休肝日を持つ 74 75 75 76 77 90以上
喫煙 たばこを吸わない(喫煙率低減) 77 77 82 83 84 90以上
  • 2021年より追加質問

健康診断など

(単位: %)

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2025年度
(目標値)
定期健康診断受診率 100 100 100 100 100 100
精密検査受診率 43 68 89 96 88 100
特定保健指導実施率 14 80 94 95 97以上 100

生活習慣病リスク保有率(健康診断結果)

(単位: %)

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2025年度
(目標値)
肥満 24 26 25 25 25 20以下
肝機能 30 34 31 34 33 30以下
脂質 51 57 55 56 55 50以下
血糖 24 17 21 17 20 15以下
血圧 31 37 34 29 33 30以下
3つのリスク保持者
(脂質・血糖・血圧)
8 8 8 5 7 5以下

健康経営の評価指標

健康投資策の効果を検証するため、2021年度より「アブセンティーズム」に加え、「プレゼンティーズム」と「ワークエンゲージメント」の測定を開始しました。
生産性や働きがいの向上につながる健康投資策を積極的に展開し、最終的には経営課題の解決を目指します。

アブセンティーズム

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2025年度
(目標値)
私傷病休業者率(%) 1.5 1.5 1.8 1.9 1.3 1.0以下
  • 欠勤や休職などにより、業務を行うことができない状態
    1カ月以上欠勤・休職の疾病休業者数で測定

プレゼンティーズム

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2021年度 2022年度 2023年度 2025年度(目標値)
労働生産性損失率(%) 37.5 36.6 36.4 30以下
  • 出勤しているものの心身の健康問題により十分な仕事ができていない状態
    WHO 健康と労働パフォーマンスに関する質問紙で測定

ワークエンゲージメント

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2021年度 2022年度 2023年度 2025年度(目標値)
仕事への自発的行動や
ポジティブな感情
(偏差値)
49.7 50.1 49.6 51以上
  • 仕事においてポジティブで達成感に満ち、活力・熱意・没頭といった心の状態
    ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度と相関の高い8項目を用いた独自の調査票で測定

健康推進活動のあゆみ

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2018年9月 健康経営宣言 -
2020年7月 第1回健康推進会議を開催 健康推進体制の発足と健康課題を共有
2021年1月 第2回健康推進会議を開催 健康推進活動中間報告と健康スコアリングレポートの情報共有
2021年6月 第3回健康推進会議を開催 健康推進活動2020年度報告と2021年度の取り組みを確認
健診データの経年分析から当社グループの健康課題を共有
2021年10月 健康経営全社戦略マップを公開 -
2021年12月 第4回健康推進会議を開催 健康推進活動2021年度中間報告と当社グループ健康経営戦略マップを共有
健康経営ワークショップを開催 各地区健康推進チーム代表者が参加
2022年5月~6月 健康推進地区別ワークショップを開催 各地区健康推進チームメンバーが参加
2022年6月 第5回健康推進会議を開催 健康推進活動2021年度報告と各地区健康推進チームの活動宣言を共有
2022年8月 経営層対象健康経営研修会開催 経営層向けに当社グループの経営課題の共有
2022年12月 第6回健康推進会議を開催 健康推進活動2022年度中間報告
健康経営ワークショップを開催 経営層と各地区健康推進チーム代表者が参加
2023年6月 第7回健康推進会議を開催 健康推進活動2022年度報告と各地区健康推進チームの活動宣言を共有
2023年7月 健康推進地区別ワークショップを開催 各地区健康推進チームメンバーが参加
2023年12月 第8回健康推進会議を開催 健康推進活動2023年度中間報告
2023年12月 健康経営ワークショップを開催 各地区健康推進チーム代表者が参加

組織体制と役割

2020年度より、会長、社長を筆頭に経営幹部が参画する「健康推進会議」が方針や取組内容の審議・決定を行い、各地区の従業員をメンバーとした「健康推進チーム」が地区ごとに従業員への健康経営の周知・浸透ならびに具体的施策を推進する体制とし、会社・労働組合・健康保険組合の三位一体で、全社一丸となり健康への取り組みを推進しています。

健康推進会議

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教育・研修

健康推進メンバー対象のワークショップ

各地区の健康増進施策を推進する旗振り役である健康推進メンバーを対象とした健康経営ワークショップを健康推進事務局が企画し、定期的に開催しています。ワークショップで健康経営についての理解を深め、他拠点の健康推進メンバーとも意見交換を行いながら健康増進施策を進める上での課題や解決策についてアイデアを出し合うことで、健康推進メンバーが主体的に各地区の健康推進活動を実行できるように支援しています。

各種セミナー

ヘルスリテラシーの向上

従業員のヘルスリテラシーを高め、健康への行動変容を促進するため、2020年度より定期的にオンラインで健康セミナーを開催し、情報提供を行っています。行動目標として掲げている5つのテーマ以外にも従業員アンケートで関心の高いテーマであった肩こり腰痛対策やがん検診の必要性について理解を深める機会提供のため、がんをテーマにセミナーを開催し、セミナーへ参加した従業員からは高い満足度を得ています。2022年度からは、より多くの従業員へセミナー視聴の機会を提供できるようにセミナー動画の録画配信も行っています。

軽快ウォーキングセミナーの内容

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開催時期 セミナー内容 参加人数
(人)
延べ時間
(時間)
理解度
(%)
満足度
(%)
2020年度 適正飲酒セミナー 約160 約160 98 95
2021年度 睡眠セミナー 約220 約220 91 85
がんセミナー 約200 約200 98 92
肩こり腰痛対策セミナー 約250 約250 98 89
2022年度 食事と睡眠セミナー 約220 約220 87 75
男女のホルモンバランスセミナー 約130 約130 85 71
口腔ケアセミナー 約270 約270 93 90
食事と体重(BMI)のセミナー 約270 約270 93 84
肺がんセミナー 約210 約210 87 83
2023年度 転倒から身を守る体づくりセミナー 約230 約230 94 87
女性のためだけじゃないセミナー 約170 約170 94 95
健診前の食事改善セミナー 約260 約260 93 87
軽快ウォーキングセミナー 約210 約210 88 87

※参加人数 × 受講時間

健康増進支援の取り組み

当社グループの健康課題は、30歳代の若年層が約3割を占めているにもかかわらず、生活習慣病のリスクが高い傾向があるため、若い世代からの生活習慣改善の施策が必要です。グループ全体としては運動・食事・飲酒の行動変容が課題として浮き彫りになっています。これらの健康課題を踏まえ、2020年度以降、健康支援アプリの導入、運動と睡眠を可視化するウエアラブルウォッチの購入補助、健康セミナーをオンラインで実施、スマートミールやスムージーの提供などの健康施策を実施しています。その結果、2021年度の全社アンケートでは週1回以上の運動習慣を持つ割合が20%ほど増加し、従業員のヘルスリテラシーが高まってきているという変化が出ています。今後も従業員の行動変容を促す施策を継続し、従業員のパフォーマンス向上や組織の活性化につなげていきます。

カロママプラスアプリを利用した健康づくり支援

食事や運動、睡眠の記録管理が行え、AIアシスタントから健康アドバイスを受けることのできるスマートフォン健康アプリ(カロママプラス)を導入しました。2021年度より、定期的にカロママプラスアプリで平均歩数と健康スコアを競う全社ランキングイベントを開催しています。実施後のアンケートでは「昼休みの散歩が習慣になった」「毎日野菜を食べる習慣ができた」などの声があり、イベント参加が運動、食事の生活習慣改善につながったことがうかがえました。

  • 健康スコア:アプリへ入力された食事・運動をもとに健康度合いを点数化したもの。
カロママプラスアプリ

健康アプリ(カロママプラス)

禁煙の推進

喫煙による健康障害の予防、従業員の受動喫煙防止を目指して禁煙の推進を強化しています。

事業所内禁煙

当社グループ全従業員を対象に、事業所内禁煙を目指して喫煙所の縮小、閉鎖を段階的に進めた結果、2023年1月に事業所内禁煙を完了しました。

卒煙プログラム支援

当社健康保険組合が一部費用負担を行い、専用アプリと看護師・薬剤師によるオンライン面談でサポートが受けられる卒煙プログラムを展開しています。
2021年度は8人が卒煙に成功しました。
2022年度は2023年3月時点、9人が卒煙成功しました。

喫煙率の推移

喫煙率の推移

健康診断の実施および事後措置

グループ全社で統一した健康診断を実施しており、定期健康診断の受診率は100%を維持しています。健康診断結果で精密検査を要すると産業医が判定した従業員に対しては、社内の産業保健スタッフが電話やメールなどでフォローし、受診勧奨を行っています。生活習慣病リスクが高い従業員へは生活習慣の改善へ向けたアドバイスも実施しています。今後は生活習慣病リスク(脂質・血糖・血圧など)を保有する者の減少、精密検査受診率100%を目指しています。
2019年度に健康管理システム(Growbase)を導入し、当社グループ全従業員の定期健康診断結果を一元管理しています。健康管理システムの従業員ページへアクセスすることで、従業員が定期健康診断結果をWeb上でいつでも確認できる環境を整えています。

特定保健指導

当社健康保険組合では、特定健診および人間ドックの結果、「積極的支援」または「動機付け支援」対象者全員へ、3~4カ月間の生活習慣改善プログラム(特定保健指導)を継続しています。きめ細やかな申し込み勧奨と保健指導の経過フォローを行い2022年度は、指導実施率95%と目標であった90%越えを2年連続達成しました。健康スコアリングレポ-トから見る順位は、2018年:1009位、2019年:899位、2020年:46位、2021年:7位と大きく改善しています。

  • 健康スコアリングレポート:厚労省・経産省・日本健康推進会議の共同三者より発行されるもので各健保組合の加入者の健康状態や医療費、予防・健康づくりへの取組状況などについて、全健保組合平均や業態平均と比較したデータの経年変化を見える化したもの。

特定保健指導実施率

特定保健指導実施率

若年層への保健指導

当社健康保険組合では、当社グループで従業員数比率が高く、特定健診の対象外である40歳未満の年代の健診結果に着目し、30歳代を対象にした「検査数値改善プログラム」(保健指導)を実施しています。検査値改善の変動幅が大きいと言われている40歳未満の年代に、積極的な予防的介入を行うことで、生活習慣改善への意識づけと早期の検査数値改善を目指しています。

重症化予防のための保健指導

当社健康保険組合では、診療情報および特定健診結果をもとに、血管病ならびに生活習慣病の発症、再発の予防を目的として、重症化予防生活習慣改善支援プログラムを実施しています。服薬治療に加え、一人ひとりの症状に合わせた生活習慣の改善を支援することで、重症化のリスクを軽減し、健康な生活の維持を目指しています。

メンタルヘルス対策

ストレスチェックの実施と集団分析結果の活用

海外事業所も含めた当社グループ全従業員を対象に年1回ストレスチェックを実施しており、高ストレスと判定された従業員には医師面接を勧奨してメンタルヘルス不調を未然に防止する取り組みを行っています。ストレスチェックの結果をもとに集団分析を行い、集団分析結果は活用ガイドと共に各組織へフィードバックしています。集団分析結果データに基づいて必要時は組織への個別介入を行い、職場環境改善を図っています。

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(単位: %)

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
ストレスチェック
受検率
99 99 98 99 98
ストレスチェック
高ストレス者率
9.3 8.9 8.6 7.1 8.0

メンタルヘルス研修の実施

セルフケア研修、ラインケア研修を継続的に実施しています。

長時間労働対策

長時間労働による健康障害を防止するため、当社グループ全従業員を対象に月45時間超の時間外・休日労働が発生した場合は、健康チェックシートで心身の健康状況の把握を行っています。必要時には産業医面談を実施し、従業員の健康確保のため産業医の意見をもとに適切な業務上の配慮を行うようつとめています。

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2025年度
(目標値)
平均月間所定外労働時間
(時間)
4.8 4.4 4.8 5.2 5.5 5.0以下

感染症対策

新型コロナウイルス対応

2020年2月18日に新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、「一人ひとりが感染予防策をしっかり実施して、感染拡大を防ぐとともに事業継続に向けて備える」の考えのもと、感染症への対応や要請、ルールなどについて、イントラネットで適宜指示・周知しました。そのほか、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を推奨し、2021年1月からは希望する従業員とその家族にPCR検査および抗体検査受検費用の一部補助を開始しました。複数回受検できます。

職域接種の実施

京都本社では、新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの職域接種を3回実施しました。接種対象を当社グループ従業員の希望者だけでなく従業員の家族および近隣企業などにも拡大して実施しました。

抗原検査キットの配布

2021年末にCOVID-19の変異株の一つであるオミクロン株の感染が急速な勢いで拡大し、日本国内でも地域によってはPCR検査や抗原検査がすぐに受けられない事態となった際には、感染が疑われる状況となった場合でも迅速に感染の有無を確認できるように、全従業員へ抗原検査キットを無償配布しました。

インフルエンザ費用補助

当社健康保険組合ではインフルエンザ予防接種の費用補助を実施しており、従業員と家族の感染症予防につとめています。

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2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
インフルエンザ予防接種率
(従業員のみ)(%)
74 81 67 64 65
  • 当社健康保険組合にて接種費用補助を行った者の割合

健康経営に関する社外評価

「健康経営優良法人」に認定

経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2024(ホワイト500)」に認定されました。健康経営優良法人として6年連続での認定となります。認定制度では理念・方針、組織体制、制度・施策実行、評価・改善における取組状況が数値化され、これらの総合評価で上位500社が「ホワイト500」に認定されます。

データヘルス・予防サービス見本市2021(厚労省、健康保険組合連合会がオンラインで共催)にて講演

2021年11月30日に健康保険組合連合会、厚労省共同企画による「成果報酬型民間委託方式(PFS)による健保事業のバリューアップに向けて」と題したセミナーが開催され、当社健康保険組合が講演しました。当社グループの健康経営の定着、特定保健指導の急速な改善などが厚労省の目に留まったものです。

「がん対策推進優良企業」表彰を4年連続で受賞

当社健康保険組合が、厚生労働省の「がん対策推進企業アクション」において、令和5年度(2023年度)「がん対策推進優良企業」として表彰されました。オトナのがん教育配信や各種がん検診の取り組み(大腸がん検診、乳房超音波検査、子宮がん検診、胃がんリスク分類検査、生活習慣病健診、特定保健指導など)、卒煙プログラムを実施した点が評価されました。 

がん対策推進企業アクションでは、「がんと向き合い、社員と会社をさらなる高みへ」をフィロソフィーに、企業・団体のがん対策をサポートしており、約5,000の企業・団体が登録しています。その中で今回300社が表彰を受けています。

「2022年度特定保健指導実施率:95.3%」に対し、厚生労働大臣よりメッセージを受ける

2022年度における当社健康保険組合の特定保健指導実施率は、全国の健康保険組合・共済組合の中で上位10組合に入り、顕著な実績であったことから、その取り組みに対して、厚生労働大臣から感謝のメッセージをいただきました。

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