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超微細なパターンを高精度に作る機能

三洋化成ニュース No.509

超微細なパターンを高精度に作る機能

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2018.07.01

テレビやパソコン、スマホなどの液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに欠かせない光学フィルム。画面をよりきれいに、より見やすくしたいというニーズに応えて、光学フィルムに超微細な加工を可能にする樹脂が開発されています。今回は、光学フィルム用UV硬化樹脂の機能を紹介します。

 

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よりきれいに、より見やすく光を制御する光学フィルム

液晶ディスプレイや有機ELディスプレイは、外光を拡散し、画面を見やすくする反射防止フィルム、バックライトの光をそろえて均一にするプリズムシート、集めた光を拡散し、輝度を上げる拡散フィルム、ブラインドのように光を通したり遮ったりする偏光板などの光学フィルムを多層に重ねて作られています。近年は、画面をよりきれいに、より見やすくしたいという高性能化のニーズが高まりを見せ、光学フィルムにもより精密に光を制御する機能が求められています。

光をより精密に制御するためには、光学フィルムに施される微細加工の高精細化が必要です。光学フィルムの微細加工法は大きく分けて2タイプ。一つは、写真の現像のように感光性の物質を塗布した表面を、パターン状に露光する露光・現像方式。もう一つは、判型の金型を樹脂に押し当てた後、固めて取り外すインプリント(転写)方式。転写する判型がナノレベルに微細なものをナノインプリントと呼びます。

 

UV硬化樹脂を用いるナノインプリントが主流に

ナノインプリントとは、微細パターンを彫り込んだ判型を樹脂に押し当ててそのパターンを大量に転写する加工技術のことです。超微細な加工ができるため、高解像度の光学フィルムが製造でき、また優れた寸法制御性により高品質の製品が量産できるという特長を備えています。

ナノインプリントの方法には、樹脂を加熱して判型に押し当てた後に冷却する熱硬化と、紫外線(UV)で硬化する樹脂を用いるUV硬化があり、現在はUV硬化が主流です。UV硬化は、液状の樹脂に判型を押し当て、UVを照射して瞬時に固めるという工程で行われます。UV硬化の特長は、熱硬化のように高熱をかける必要がなく、短時間で製造できるため省エネが図れ、熱に弱い部材も使用できることです。

ナノインプリント用のUV硬化樹脂には、微細構造の転写性(型への入り込み性、硬化後の寸法安定性・耐擦傷性・強度、型との離型性、基材フィルムとの密着性など)に加えて、長期信頼性(バックライトへの耐光性、色・形状の持続性など)が欠かせません。

 

離型性と密着性を両立した三洋化成の『ファインキュアー』シリーズ

三洋化成は、優れた界面制御技術と高精細化に対応できる樹脂設計技術を活かし、ナノインプリンなどの超微細加工に最適なUV硬化樹脂を提供しています。

UV 硬化樹脂『ファインキュアー』シリーズは、独自に開発した離型剤を配合しており、判型からの離型性に優れています。そのため超微細なパターンでも判型に樹脂が残らないだけでなく、判型の摩耗低減にも役立っています。さらに樹脂にもストレスがかかりにくいためクラックなどの不具合が発生しにくい性質を持っています。このような高い離型性にもかかわらず、基材フィルムとの密着性にも優れ、出来上がった成形物は形状、品質ともに長期間安定しているのが特長です。

また、光の屈折率を制御して、耐光性、色・形状の持続性など、付加価値となるさまざまな性能を引き出すことができるのも当社製品ならではの強みです。加えて、成形物そのものに傷が付きにくく、製造工程でほかの材料と接触してもすぐ元に戻るといった耐擦傷性(傷回復性)にも優れています。最近は、さらなる省エネ化を図るため、UV-LED光源の活用も進み、当社の樹脂も対応しています。

さまざまな性能設計を実現光学フィルム以外の用途も

三洋化成は、光学フィルムにおけるナノインプリントの超微細化のニーズに合わせて、UV硬化樹脂のさまざまな性能設計を実現しています。今後は、光学フィルム以外の用途展開も期待でき、多彩な技術でお客様の要望に応えていきます。

 

 

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